—-想定—-
私の仕事には、GoogleAppsにおけるシステムの構築や、
マニュアルの作成などもあります。
この2つの仕事は、全くの別物のようにも思えますが、
じつは大きく共通する点があります。
それは、想定して作る事です。
システム構築において想定する事は、
お客さんがどのような使い方をするのか、
そのシステムを見て、どのように感じるのかを考える事が重要です。
単純に仕様書通りに作業をし、
仕様書通りに動くだけのシステムを作るだけでは、
それで便利なシステムが出来上がるわけではありません。
そのシステムで、どのような仕事をお客さんが行うのか、
私はそれも頭で想像して、作業を進めます。
そしてお客さんが、そのシステムを見てどう感じ、
どう操作すればいいのかを把握する様子も想像します。
マニュアルの作成の際もそうですね。
その文章を見たお客さんが、どのように情報を捉えるのか、
それを想像しながら書いています。
マニュアルは単に、システムの概要や操作方法、
動作の結果を書けばいいというものではありません。
たとえそれを書いたとしても、お客さんがそれを読み解くのに、
頭の中にコーデックや解凍ソフトをインストールしていなければ
理解が難解なマニュアルでは、
さらにそのマニュアルのマニュアルが必要な状況ともなりえます。
ちょっと冗談交じりの例えで示してみましたが、
つまりは、お客さんの理解力に委ねる説明は、
説明する側の逃げであるという意識を持って、私は文章を作成しています。
理解が難しい説明書では、むしろそんな説明書は捨ててしまって、
総当りで操作したほうがマシだと思われるでしょう。
最も注意するべき事は、相手が勘違いしないようにする事です。
勘違いはたしかに間違いなのですが、
本人は間違いであるとは気がつかず、それが正しいものと認識しています。
それが勘違いというものです。
正しいと思っている限りは、当然訂正の必要はなく、
それをそのまま実行すればいいものだと誰もが思います。
それを間違いだと気付くのは、実践して失敗したときや途中で矛盾を発見したとき、
そして、他から新しい情報を得たときでしょう。
勘違いは自分自身で気がつくのが難しいことです。
なので、その勘違いをする事も想定に入れて、私は物づくりをしています。
勘違いを誘発しないように、間違えたお客さんが悪者にならないようにと、
それに気を配って物づくりをしたいと思っています。
文章を作成したら、まずは極小の声で口に出してもいいので、
まずは自分で読み解いてみることです。
人は自分とは違うことは当然であり、人の捉え方は人それぞれです。
なので私は、他人がそれを読むのに苦労しないか、
他の捉え方をする可能性はないかどうかを配慮しています。
情報は川の流れと同じく、上流次第で変わっていくものです。
その上流となるのが、情報を伝える側です。
お客さんがそれを手にすれば、どのように仕事が出来るのか、
それはマニュアルもシステムも同じことだと思います。
そのお客さんが仕事をする様子を想定しながら、物づくりを行っています。