人に伝えるには・・・

佐野

佐野 2012年12月13日

ウェブサイト管理、GoogleAppsScriptの作業以外にも、
主にGoogleAppsの使い方などのマニュアル作成を行うときもあります。

マニュアルを作成すると言っても、
単に操作方法を記して終わりというものではありません。
人に物事を教えるという事は、
その人が理解していなければ意味がありません。

人が物事を覚えるには、
まず何をしているのかを理解する必要があると思うのです。
たとえば作業を教えるにしても、単にやり方だけを記憶させるだけでは、
その人は何をやっているのかがわからず、不安になると思うのです。
むしろ、もしここで不安にならないのであれば、
その人はその仕事に対して、
さほど関心を持っていないという事も考えられます。

やり方だけを完璧に記憶できれば、たしかに仕事はできると思います。
しかし、それでは予期せぬ出来事などに、柔軟な対応はできないはずです。
また、いくつかの作業を全て終了すれば、
次のステップへ進めるというような仕事を、
順序を固定して行わせたり、やり方を順番に言う教え方では、
もしその手順が少しでも変化しただけで、
その作業を一度リセットして、
最初からやり直さなくては不安になってしまいます。

そうならないようにするには、ひとつひとつの作業が、
なんのために行われているのかが、理解できればいいのです。
そうでなければ、全作業が終わった際の
結果の善し悪しでしか事を確認できませんが、
作業の概要を理解していれば、各作業の善し悪しを部分ごとに判断でき、
どこが問題だったのか、次の作業に進めるかどうかも明確になります。
物真似だけで仕事はできないと思うのです。

また、なるべく難しい漢字を使ったり、
漢字だらけの文章にしないようにもしています。
PCにおいては、スペースキーを押すだけで、
漢字の候補が出て、簡単に漢字が入力できてしまいますが、
漢字だらけな文章だと、読みづらくなってしまいます。

小学生向けの文章かと言われるかもしれませんが、
すばやく読める文章は、小学生でも読めるような文章だと思うのです。
個人的には、小学校5・6年ぐらいで読めるような文章が、読みやすいと思います。
文章に必要なのは、難しい言葉や漢字を並べて外側だけ賢く見せるのではなく、
読んで理解できる文章にしなくてはいけないのです。
とくにゲームのテキストは、ゲームのテンポを損ねないように、
本当に読みやすいように配慮がなされており、
なかでもカプコンの「逆転裁判」シリーズにおいては、
1行15文字程度で、しかも2行しかないテキストエリアで表示されます。
法律というテーマを扱い、テキスト重視のゲームジャンルにも関わらず、
非常に読みやすく理解しやすい、かつ充分な情報量を持つテキストになっています。
ゲームは基本的に、プレイヤーを退屈させないために、テキストを簡潔かつ、
ときにアクションゲームで行動中でも
読みやすいテキストにする必要があります。
私はこういうテキストを、よく参考にしています。

人の目は、文章を大まかに漢字、ひらがな、カタカナなど、
文字の種類によって断片的に認識する事もあります。
なので、漢字でも書けるような部分でも、
意図的に平仮名にする事で、区切りを見せるというような事もやっています。
また、漢字ばかりを見ていると、人は疲れると思います。
時折長めの平仮名やカタカナを入れる事で、
文章を読む過程での安心感を与える効果もあるでしょう。
改行や読点(、)句点(。)の使い方にも気を使います。
人が息継ぎをするタイミングで読点を入れたり、
事の区切りに句点を使うようにし、
句点部分で人は情報を整理していると考えています。
改行はブログなどでは入れていないものも多く、
それが当たり前とされている雰囲気もあるのですが、
できれば特定の読点や句点部分で入れたいところですね。

マニュアル作成において、ときに知識のない初めての事に関しても、
マニュアル作成を行う事もあります。
そういうときは、色々と試行錯誤をする必要もあり、
ときにエラーやミスを発生させる事もあります。
しかし、そういう失敗もまた情報であり、
それに関する概要や対処法も調査します。
物事は失敗しないように事を運ぶのではなく、
失敗を想定したうえで、その対処法も事前に考慮しておく、
「転ばぬ先の杖」が重要だと思います。

実際に行ったミスは、自分だけでなく、
それを利用するほかの人も行う可能性があると判断し、
その原因を注意深く探り、その対処法を記すことも重要だと思います。
成功したことだけを記したマニュアルでは、
実際に失敗をした人が、おいてきぼりになってしまいます。
マニュアルに書く必要があるのは成功例だけでなく、
失敗例も必須であると言えます。

マニュアル作成には、本当に何もない状況から行う場合もあり、
逆にこっちがマニュアルが欲しいと思うときもありますが、
その概要を追求する余裕があれば、
充分な情報を収集する事ができると思い、
今ではかなり執筆した文章も増えてきました。