客観的視点での物づくり

佐野

佐野 2013年2月20日

GoogleAppsは、すごいシステムですね。
なにしろ、高価なオフィスソフトなしで、その基本的な機能を扱えるのですから。
しかもオフィスソフト以上に動作も安定していて扱いやすい。

なかでも「スプレッドシート」においては、
様々なシステムを付与する事もできますし、
データベースとして扱いながら多機能なシステムに拡張する事が可能です。

最初はフォームの内容をメールで送信という単純な内容から始まり、
今では、本格的とも言えそうなシステムの開発も可能となってきた気がします。

しかし、単にシステムを開発できても、
それを扱う人の事を考えないとダメだと思います。
特にスプレッドシートに機能を付与する事は、
ゼロからの開発よりは難しくはないと思いますが、
すでに作業用のシステムとして出来上がった物であり、
以前にも記事にしたと思いますが、
基本的に、ほぼ全部分が利用者側の手で編集出来てしまいますから、
間違えてシステムを壊してしまう事も想定できます。

スプレッドシートは、いわば単なる方眼紙。
しかも印刷物とは違い、基本的に全箇所に消しゴムが通用します。
それをいかに、お客さんに編集してもいい箇所かをわかりやすくするか、
またお客さんがやってしまう可能性のある操作についても想定し、
その対策も考えます。

それには、操作してはいけない部分を説明書として作っておくのもいいですが、
その説明書を読破し、また覚えるにも困難になるほどの膨大なものになると、
便利なシステムも逆に不便になりますからね。
複雑で多彩な作業の簡易化・一括化のために設計されたシステムも、
覚える項目や操作方法が多ければ、本末転倒ですからね。

個人的には、一個人がメモを取って作業を覚えるよりも、
その機械に直接書いておけばいいのではないかと思う事もあります。
確かにメモを取って学習していく事も有効ですが、
それが作業指導書のレベルになるのも、また問題です。
一個人の認識というものは、人によって多少なりとブレが生じます。
その都度人が口頭で作業内容を説明し、それが数人に渡って受け継ぐ形になると、
伝言ゲームのように、最終的な内容がガラリと変わる事もあります。
それならば、その機械(システム上)をわかりやすく設計しておいたり、
誰もが同じ情報を確認できる仕様書を配備しておくのが、
いちばん有効な方法だと思うのです。

また、何をしているのかがわからない作業というのも、じつに恐れるべきことです。
とりあえず先輩に言われたからこの操作を行うという考えで、
その操作が、一体どのような作業を行われているのかを理解していないと、
それは習得したとは言えませんし、イレギュラーへの対処も困難です。
個人的にも手順よりも概要を伝えてほしいという願いもありますし、
それが決して難しくなく、また見た目でもわかるように
なるべく配慮していきたいとも思っています。

しかし、機能が増えるほど物事が複雑化するのは必然だと思います。
ですが開発者という立場に立つ以上、
そのさらに複雑になった作業を簡易化する事も、また挑戦だと思っています。
自動化できる部分は、なるべく少ない操作にまとめて行うなどの工夫を考えています。