バーストパフォーマンス インスタンス(T2)
ファイルサーバーなどでは通常CPUをほとんど使用することがないため、T2タイプのインスタンスを使っていただいているお客様が多くおられます。このインスタンスタイプは「バースト」という特性を持っているため、運用や使用方法によっては相性が悪いケースが考えられます。そこで弊社のお客様において、実際の運用で発生している事例を2件ご紹介いたします。
※グラフは青色(左軸):CPU、橙色(右軸):クレジット
E社様のケース
クレジットを使い果たしてしまった…
こちらのお客様は基本的にファイルサーバーとしてご使用されていますが、一部の遠隔地からリモートデスクトップ(RDP)を併用されています。10月20日の19時頃からCPUがバースト状態になり、翌21日の9時頃にクレジットを使い果たし、ベースパフォーマンスまで低下してしまいました。
11時頃にCPU負荷が下がったためクレジットが回復し始めますが、13時過ぎに再度バースト状態になったため、また使い果たしています。
最初のバーストした原因を調査したところ、RDPを使用していたユーザーが作業終了時にログオフせずウィンドウを閉じてしまい、そのRDP上で使用していたアプリが異常な状態(CPU100%)となっていたためでした。
このように何らかの理由でバーストしてクレジットを消費してしまうとベースパフォーマンスになるため、注意が必要です。
回復はインスタンスタイプにより異なりますが、このお客様の場合(T2.medium)は12時間以上かかりました。
K社様のケース
運用コスト削減のため、夜間は停止します
3日分の状態です。こちらのお客様はファイルサーバーとしてご利用されており、朝に起動し、夜間は停止する運用になっています。
注意していただきたいのは「起動時はクレジットがほぼ無い状態からスタートする」という点です。こちらのお客様のご使用方法では問題有りませんが、起動直後からアプリなどをフルに使いたい場合など、CPU負荷がかかった状態ではクレジットが増えないため、ベースパフォーマンスでしか稼働できないことになります。
停止する事でコストダウンは可能ですが、起動後すぐに高いCPU能力が必要な処理が有る場合はT2はお勧め出来ません。
最後に…
「ベースパフォーマンスはT2インスタンスタイプ本来の能力」ですので、
◯:クレジットがある状態はパフォーマンスが向上する
×:クレジットがない状態はパフォーマンスが低下する
という点をご理解ください。
また「クレジット」の変化は
増加:ベースパフォーマンス以下でインスタンスを使用
減少:ベースパフォーマンス以上(バースト状態)でインスタンスを使用
リセット:サーバーを停止
となります。
この特性が業務にマッチすれば、たいへんコストパフォーマンスの高いインスタンスタイプとしてご利用いただけると思います。
以上